発達障害者 「もうひとつの学校」

発達障害の対応 モンテッソーリ教育

発達障害の対応 モンテッソーリ教育

モンテッソーリ教育とは、20世紀はじめに女医マリア・モンテッソーにより考案された教育方法。イタリアのローマにてモンテッソーリ教育は考案され、欧米を中心に世界全土普及しています。特にアメリカ合衆国では2度に渡りモンテッソーリ教育のブームが起こっています。現在では、アメリカの私立・公立学校で3000ヶ所以上の場所で導入されています。

対して日本国内では、1960年代にモンテッソーリ教育が紹介されています。しかし、学校法で規定され日本政府に認可されているモンテッソーリ小学校(公立・私立)はなく、一部私塾として放課後に小学生のためのクラスが開催されているのみです。

発達障害の対応 モンテッソーリ教育の内容

モンテッソーリ教育を実施する教室では「教具」といわれる木製の玩具があります。モンテッソーリ教育において、子供の教育に必要なことは自発性であると考えます。単に知識を蓄えるのではなく、「教具」を通して、「経験に基づいて質量や数量の感覚を養う」「教具を通して感じ取れる形容詞などの言語教育も行う」と考えています。「敏感期」といわれるものに着目をして学習を行います。子供の自主性・独立心・知的好奇心などを育み社会に貢献する人物となることを目的とするモンテッソーリ教育は、教育の終了は24歳と考えています。

日本では「潜在能力を引き出す」「知的能力を上げる」「小学校の受験対策」などの英才教育や早期教育として注目されて、幼児教育と誤解されることが多いですが、マリア・モンテッソーリは、「知的障害・発達障害の治療教育」「貧困家庭の子供たちへの教育」から、発展させてきました。

発達障害の対応 モンテッソーリ教育の「敏感期」

モンテッソーリ教育の「敏感期」とは、子供に「自由な環境」を提供することが重要であると考え、一斉教育を行わない教育形態で子供を観察しました。月齢・年齢ごとに子供たちの興味の対象がつぎつぎ移り変わる点に着目して、脳生理学に基づいてさまざまな能力の獲得には、それぞれ最適な時期があると結論付け、これを「敏感期」と名づけています。

発達障害の対応 モンテッソーリ教育の原点

モンテッソーリは、19世紀にローマ大学医学部に女性として初めて入学します。当時は女性差別の残る時代だったため、多くの逆境を乗り越え、1896年イタリア初の女性の医学博士号を取得します。モンテッソーリは、その後も性別的な差別からようやくたどり着けた精神病院で、知的障害があるとされる幼児が床に落ちたパン屑でしきりに遊ぶ姿に目を留めます。その幼児の様子を注意深く観察するうちに、何ら知的な進歩はないと見放されていた障害者が感覚的な刺激を求めることを認めて、指先を動かすような玩具を次々と与えます。モンテッソーリは、この治療により知的障害児であっても知能の向上が見られるという確信をします。他の障害児たちにも同様の教育を行い、知能テストを実施したところ、知的障害児の知能が当時の健常児たちの知能を上回るという結果が得られ、イタリア教育界、医学界に衝撃を与えることになりました。

発達障害の公的支援




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